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「呼吸法」でホントに痩せるの?

ヨガや坐禅のブームもあり、今再び「呼吸法」に注目が集まっています。今回は「呼吸法」の効用についてご紹介します。

私たちのふだんの「呼吸」は浅い

人気女性誌などでも「呼吸で痩せる」といった特集が多く見られます。一方で、「呼吸は毎日当たり前にしているけど、とくダイエットや健康効果なんて感じられない!」。そんな声も聞こえてきます。

では私たちがふだん行っている「無意識の呼吸」と「意識的な呼吸」とではどのような違いがあるのでしょうか?

まず私たちがふだん行っている呼吸、これは非常に「浅い」ということです。

浅い呼吸であっても特に息苦しさや不便を感じることもないため、問題視することもありませんが、さまざまな効果があるとされる「意識的な呼吸法」に比べると、「無意識の呼吸」はとても弱く浅いものです。

一般的に私たちは「無意識の呼吸」で、1回の呼吸(吐く息)で500ml(ペットボトル1本分)程度のガス交換をしています。

しかし肺のキャパシティはもっと大きく、1度に吐く息の最大値は1,000mlほどもあることがわかっています。吸う息も同じで1度に最大で2,500mlは吸えるといわれています。

「大きな呼吸」を意識的に行う

試しにそのキャパシティを感じてみましょう。親指を背中側に回してバストの下あたりから肋骨を包み込むように持ってみてください。その状態で一旦息を吐き出します。そして10カウント数えながら鼻からゆっくり息を吸ってみます。

肋骨が左右前後に膨らみ始め、内側で肺が大きく広がっていることが手でも確認できるはずです。

もう吸えない、というところまで吸いきったら、今度は手の位置はそのままで、10カウント数えながら、下腹部から息をゆっくり吐き出していきます。

すると下腹は引き締まり、肺の下のほうから上の方に向かって徐々に肋骨が内側に戻っていく感覚がつかめるはずです。

一度この呼吸をするだけでも、ふだん行っている呼吸とはまるで違う「大きな呼吸」ができることが感じられたのではないでしょうか。

つまり、私たちの「無意識の呼吸」では、呼吸で必要になる骨格や筋肉、つまり「肺」や「横隔膜」「肋骨」といった組織を「十分に運動させていない」ということが分かるはずです。

呼吸法にもさまざまな方法がありますので一概にはいえませんが、「無意識の呼吸」と「意識的な呼吸法」の最大の違いは「呼吸器系を最大限に活用しているかどうか」の違いといえます。

人は1日に約2万6,000 回の「呼吸」を行っているとされますが、その一部を「呼吸法」に変えるだけでも、運動量に大きな違いが出てくることがイメージできるのではないでしょうか?

呼吸でダイエットができるわけ

ダイエットに絶対不可欠なことに「基礎代謝をあげる」ということがあります。

適度な運動やたんぱく質を意識的に摂取することで筋肉をつける、あるいは筋肉を落とさない、といったことがダイエットの王道とされています。

しかし基礎代謝をあげる最も簡単な方法は実は無意識の呼吸を「呼吸法に変える」ことである、ともいわれるようになっているのです。

先ほど「最大限の呼吸」を感じていただきましたが、試しにこの呼吸を3分連続で行ってみてください。

わずか3分でも血行が良くなり体が温まってくる感覚、なかには汗ばむ人もいるはずです。あるいはびっくりするほどリラックス効果が得られて、なんだか眠くなってくる人もいるかもしれません。

いずれにせよ呼吸によってたっぷりガス交換をすることで、新鮮な酸素が体中に行き渡り新陳代謝がアップします。また、呼吸器系の筋肉や骨格を大きく動かすことでインナーマッスルを鍛えることができます。

呼吸は自身でコントロールできる唯一の自律神経系です。吸う息は交感神経と、吐く息は副交感神経と密接に関係していますから、吸う息を意図的に行えば交感神経のスイッチがオンになり、やる気アップ、集中力アップなどにつながります。

逆に吐く息を吸う息よりも長くすると、副交感神経のスイッチがオンになり、体がリラックする、血管が拡張し血流が促進されるなどします。これらの作用はいずれもダイエットには欠かせない作用です。

意識的にゆっくり長く吐く

ダイエットを目標に呼吸法を取り入れる場合、吸う息と吐く息のどちらをより意識すればよいのか?という質問も多いようですが、答えは「どちらでもOK」です。

吸う息でお腹を膨らませる意識を持てばお腹周りのインナーマッスルのトレーニングになり代謝があがります。吐く息も「ゆっくり時間をかけて」を意識すれば自然にお腹がぺたんこになるまで吐くことになりますので、これもインナーマッスルのトレーニングになります。

もう1つ多い質問が「鼻呼吸」か「口呼吸」か、ということ。ヨガでは呼吸の長さを長くするために「鼻呼吸」を基本としています。しかしピラティスやロングブレスダイエットでは「鼻から息を吸い、口から吐く」ことを推奨しています。

どちらが正解・不正解ということはなく、両者とも目的は「ゆっくり吐くこと」になります。自分で息を吐く時に「鼻から吐くのと口から吐くのではどちらがゆっくり吐きやすいか」を一度比べてみて、自分が長く吐ける方を取り入れると良いでしょう。

吸う息は「鼻から」が鉄則

しかしながら吸う息については「鼻から」が鉄則です。これは鼻から吸うことによって体を冷やさない、ウイルスやバイ菌を不要に取り込まないといった意味があるからです。

呼吸法を始める時、最初は肋骨を掴んで肺を最大限に広げる「胸式呼吸」を練習しましょう。

そのうちお腹も動かせるようになってきたら吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でお腹をへこませる「腹式呼吸」を取り入れ、そして最後は腹式呼吸を胸式呼吸まで広げていく「完全呼吸」にレベルアップしていきます。

1日3分の呼吸ダイエット

ここまでくればあなたも呼吸マスターといえるでしょう。無意識の呼吸では1分に12~20回程度の呼吸をしていますが、呼吸法の際には1分で3回以下の呼吸を目指します。

つまり1日に10回深い呼吸をすれば、だいたい3分になるという計算です。すると「1日3分呼吸ダイエット」というのもあながちウソではないということです。

大事なことは「無意識の呼吸」と「意識的な呼吸」とではまったく効果が異なるということを理解すること。そして呼吸法をマスターするには「継続した練習が必要」と認識し、とにかく実践することです。

さあ、呼吸の深淵なる世界の扉を開けてみましょう。きっと「本当の呼吸」に出会えるはずです。



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